これまで「Cisco Meraki MXシリーズ」では、日本で広く利用されているIPoE(IPv4 over IPv6)環境に、直接対応していませんでした。
その為、やむを得ずCisco Meraki MX導入を見送っていた企業や、ネットワーク管理者も少なくないの実情です。
しかし、少し前のCisco Merakiのナレッジ情報で、以下アナウンスがありました。
Cisco Meraki MXのファームウェア「MX26.2」※で、IPoEで広く利用されている「IPv4 over IPv6」の各種方式がサポートされ、国内ISPが提供するIPoE環境でも利用できるようになりました。
※ただし、MXファームウェア「26.2」は、現在ベータバージョンファームウェアとして提供されている為、お試しは可能ですが、本格運用はもう少し先になりそうです。
これでやっと、日本全域で使用可能な「フレッツ回線」を利用して、Cisco Meraki MXによる高速通信が可能となります。これは、日本国内のMerakiユーザーにとって非常に大きなアップデートです。
本記事では、MX 26.2で追加されたIPoE対応の概要をはじめ、対応するIPv6移行メカニズム(MAP-E・DS-Lite・IPIP)の仕組み、設定方法、利用時の注意点を解説します。
これまでのMeraki MXはIPoEに対応していなかった

これまでCisco Meraki MXは、IPv4インターネット接続を前提とした構成が中心で、日本国内で普及しているIPoE(IPv4 over IPv6)環境には正式対応していませんでした。
日本独自のIPoEの仕組みが影響したようですが、同じCiscoのルーターや、FortiGateなどの海外製品も、かなり以前から日本のIPoEに対応している事から、Cisco Merakiが日本市場を軽視しているのではと思ってしまいます。
そのため、フレッツ光や各種IPoEサービスを利用している企業では、Meraki MXをインターネット接続ルーターとして利用することが難しく、別途国内メーカーのIPoE対応ルーターを用意するケースもありました。
この制限は、日本市場におけるMeraki MX導入時の大きな課題の一つとなっていたと思われます。
ファームウェア26.2でIPv6移行メカニズムをサポート
そんなCisco Meraki MXですが、ファームウェア「MX26.2」では、「IPv6 Transition Mechanisms(IPv6移行メカニズム)」が追加されました。
詳細は以下記事をご確認ください。
IPv6 Transition Mechanisms Configuration GuideIPv6 Transiti
こちらの文書内に、Cisco Merakiが対応する
「対応するVNE事業者」
「対応するIPv4 over IPv6方式」
が記載されています。
Cisco Meraki Supportted VNEs
この文書を見ると分かるのですが、国内で採用されている「IPv4 over IPv6の方式」としては、「DS-Lite」「MAP-E」が有名ですが、Cisco Merakiの対応状況としては以下のようです。
・「DS-Lite方式」:対応
・「MAP-E方式」:未対応
現在未対応となっている「MAP-E」も、いずれ、MAP-Eにも対応する事となるとは思いますが、今のところは未対応の為、MAP-E方式のIPoEサービスを利用している場合は、Meraki使用はもう少し待つ必要がありそうです。
しかし、これまで日本国内で要望の多かったIPoE環境への対応が実現したことで、Meraki MX単体でインターネット接続を構成できるケースが大幅に増えることになります。
企業ネットワークの新規構築やリプレースにおいても、Meraki MXの選択肢がさらに広がるアップデートと言えるでしょう。
「IPv4 over IPv6」方式
ご参考に、良く利用される、「IPv4 over IPv6方式」を以下にご説明します。
MAP-Eとは
MAP-E(Mapping of Address and Port with Encapsulation)は、IPv4パケットをIPv6ネットワーク内でカプセル化して通信する技術です。
日本国内では「v6プラス」などで採用されており、多くのIPoEサービスで利用されています。
最も有名なのが、プロバイダ最大のOCNが、自身がVNE事業者にもなり提供するIPoEサービスで提供する「OCNバーチャルコネクト」で利用する、IPv4 over IPv6の方式は「MAP-E」です。
YAMAHA RTPro
実は、私の自宅で利用する「NURO光」もMAP-E方式を採用しています。
詳細は以下記事をご覧ください。

IPv4アドレスを複数ユーザーで共有することで、IPv4アドレス不足への対応と高速な通信を両立しています。
DS-Liteとは
DS-Lite(Dual-Stack Lite)は、IPv4通信をIPv6網へカプセル化し、ISP設備でIPv4通信へ変換する方式です。
国内では「transix」などのサービスで採用されており、高品質でも定評があり、非常に多くのプロバイダーでIPoEサービスで利用されています。
インターネットマルチフィード transix 採用ISP一覧
IPv4アドレスを利用者側で持たない点が特徴であり、IPv6ネットワークを有効活用できる仕組みとなっています。
IPIPとは
IPIP(IP in IP)は、IPv4パケットをIPv6パケットへカプセル化して転送するシンプルなトンネリング方式です。
Meraki MXでは、この方式にも対応したことで、対応ISPやサービスに応じた柔軟な構成が可能になりました。
各方式の違いを比較
各IPv4 over IPv6方式の違いを、以下表にまとめます。
| 方式 | 特徴 | 国内利用例 |
|---|---|---|
| MAP-E | IPv4アドレス共有 | v6プラス |
| DS-Lite | ISP側でIPv4変換 | transix |
| IPIP | シンプルなIPv4トンネル | 一部法人サービス |
Cisco Meraki MX 26.2で追加されたIPoE関連機能
本文では、以下について説明いたします。
- Dashboardの設定画面
- WAN設定画面
- IPv6 Transition Mechanisms設定画面
- 各設定項目
【準備中】Meraki MX IPoE設定手順
【お詫び】
私が仕事で日頃使用しているMerakiは、「Meraki MX84」です。

この「Meraki MX84」のファームウェア対応状況を確認したところ、実行可能な最大ファームウェアは「MX18.1**」までとの事。とても「MX26.2」以上にファームウェアを上げる事は出来ません!
Cisco Meraki製品別のファームウェア制限製品別のファームウェア制限
対応する機器が準備出来次第、設定方法についてはご紹介させていただきたいと思います。
申し訳ございませんが、今しばらくお待ちいただけると助かります。
まとめ
Cisco Meraki MXのファームウェアMX26.2では、待望のIPv6移行メカニズムが追加され、日本国内で広く利用されているIPoE環境への対応が実現しました。
これにより、DS-Lite・IPIPといった方式を利用する回線でも、Meraki MXをインターネット接続機器として構成できる可能性が広がります。
日本市場では以前から要望の多かった機能であり、企業ネットワークの新規構築やリプレースにおいても大きなメリットとなりますので、今後Meraki MXの導入を検討している方は、対応するIPv6移行メカニズムや利用するISPの提供方式を確認しながら、最新ファームウェアへのアップデートを進めてみましょう。






コメント