前回、「Sysprepで指定する応答ファイルの作成方法」について記載しました。
詳細は、以下リンクから記事をご確認ください。
今回は、「参照用PC※の作成」と、「Sysprep実施方法」について書いていきたいと思います。
※「参照用PC」とは「マスターPC」の事
参照用PCとは
これからPC展開行う際に使用するイメージの元となるPCの事。
セットアップした参照用PCから、前々回ご紹介した「Windows PE」を使用して、OSイメージを取得し、展開先PCへクローニングします。
今回は、参照用PCとして「Lenovo Thinkpad X280」を使用
参照用PCを作成
参照用PCを作成する為に、まずは以下を準備します。
- Lenovo Thinkpad X280用Windows 11ドライバー
- Windows 11 ボリュームライセンスメディア
今回、Windows11ボリュームライセンスメディアは準備できなかったので、以下Microsoftサイトからisoイメージをダウンロードして、DVDメディアに焼きました。
なぜ、Windows11ボリュームライセンスは必要か?
今回のように、参照用PCのイメージを、展開先PCにクローニングする為には、
- 参照用PCのOSに「再イメージング権」が必要
ただし、参照用PCである「Thinkpad X280」には、元々WindowsOSがプリインストールされています(どのメーカーパソコンも同様です)
このプリインストールされている、Windows OSは、
- OEM版Windowsで、「再イメージング権」が付属していない
- このPCのみでしか使用する事が出来ない
その為、面倒ですが、「再イメージング権」が付属する、「Windows11ボリュームライセンス」を購入して、ボリュームライセンス版Windows11を、参照用PCに入れなおす必要があります。
「再イメージングの権利」については、以下Microsoft資料に記載されています。
ご参照ください。
参照用PCにWindows11インストール
参照用PCにWindows11をインストールしていきます。
1.Windows11のIOSファイルを、DVDに焼きます
2.DVDから起動し、Windows11をインストールします
3.インストールするパーティションが表示されます
パーティション構成を確認すると、推奨のパーティション構成となっている事が確認出来ました。
サイズも問題なさそうです。
推奨のパーティションサイズについては、以下Microsoftサイトに記載があります。
パーティションのレイアウト
UEFI ベースの PC の既定のパーティション レイアウトは、システム パーティション、MSR、Windows パーティション、回復ツールのパーティションです。
このレイアウトにより、Windows と Windows 回復環境の両方から Windows BitLocker ドライブ暗号化を使用できます。
引用元:Microsoft UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション
パーティション3にOSのインストールを進めていきます。
4.インストールが完了すると、初期セットアップウィザードが起動しますので、ローカルアカウントを使用してセットアップを完了させます。
初期セットアップでローカルアカウントを作成する方法は、以下記事に記載してますので、参考にしてください。
5.OSインストールが完了
プリインストールOSを削除
ボリュームラインセンスWindows11をインストールしましたが、実は元々プリインストールされていた「Windows10」がそのまま残っています。
不要ですので、削除していきます。
1.「設定」ー「ストレージ」を選択
2.「一時ファイル」をクリックし、「以前のWindowsのインストール」のみチェックを入れます
3.「ファイル削除」をクリックすると、ポップアップが表示されますので、「続行」をクリック。すると、以前のWindowsファイルが削除されます。
4.「一時ファイルのクリーンアップが完了しました」とでれば、削除は完了です
ドライバー・管理ツールのインストール
事前に準備した「Thinkpad X280用Windows11ドライバー」をインストールしていきます。
1.OSインストール直後のデバイスマネージャーは、「不明なデバイス」ばいっぱい
2.ドライバーや管理ツールをインストールしてきます
3.全てのドライバーインストールが完了すると、デバイスマネージャーの「不明なデバイス」表示はなくなりました
PC設定をカスタマイズ
このフェーズの説明は省略いたしますが、Administratorアカウントでサインインし、PC設定、Windows Update、イメージ展開対応のアプリケーション各種をインストールしてきます。
以上で、参照用PCの作成は完了です。
Sysprepの実施
この後、Sysprepを実施をしますが、その前に、参照用PCのイメージバックアップを取得します。
理由としては、この後実施するSysrepが失敗、応答ファイルの項目間違いや、また失敗しなくて、クローニングしてみたら、思っていたイメージと違うなど、やり直しが発生する可能性はかなり高いです。
再度、参照用PCを作りなおすのは、かなり時間がかかりますので、時間短縮の為にも、
是非、イメージをバックアップしておきましょう!
Sysprep実施手順
1.念の為、参照用PCを一度再起動します。
2.前回作成した、応答ファイルを参照用PCの以下フォルダーにコピーします。
C:\Windows\System32\Sysprep\
今回の応答ファイル名は「Untitled01.xml」としました
3.管理者でコマンドプロンプトを起動します。
4.Sysprepフォルダに移動し、Sysprepコマンドを入力し、実行します。
>sysprep /generalize /oobe /shutdown /unattend:Untitled01.xml
ここで、なぜか実行中断表示が発生してしまいました!
5.「インストールを検証できない」原因を調査する
インフォメーションポップアップを見ると、「ログファイルを確認しろ」とあるので確認してみると、「BitLockerが有効だから、無効にしろ」とあります。
有効にした記憶はありませんが、コマンドで確認してみると・・
OSボリュームの「使用領域のみ暗号化」とありました。いつの間に!!
早速、OSボリューム(C:)の暗号化を解除します。
解除実施中となりました。少しまちます。
再度、暗号化の状態を確認してみると、暗号化が解除されていることが確認されました!
6.改めて、Sysprepコマンドを実行します
すると、無事Sysprepコマンドが実行されました。
実行が完了すると、シャットダウンされます。
以上でSysprepの実施は完了しました。
次回、参照PCのイメージ取得と、イメージ展開(クローニング)を実施していきます!
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