【企業向け】フレッツ光をIPoEに切り替える方法|ひかり電話と共存する構成・注意点

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小規模オフィスでは、フレッツ光回線を1本契約し、ひかり電話で音声、プロバイダー契約(PPPoE方式)でインターネット通信を利用しているケースが多いのではないかと思います。

ささ

しかし最近、インターネット通信量の増加から、
「朝や夕方になるとインターネットが遅い」
「クラウドサービスが重くて業務に支障が出る」

といった声が上がるケースが多くあります。

そのインターネットが遅い原因として考えられるのが、「PPPoE方式による通信混雑」です。

インターネット接続で利用される「PPPoE方式」は、その仕組みから、通信混雑が発生し易く、また、混雑を解決する方法も簡単ではありません。

この「PPPoE方式の通信混雑」を解決する方法として、少し前から注目されている解決策として、「IPoE方式 への切り替えがあります。

切り替えにより、PPPoE方式で発生するボトルネックは解消され、快適なインターネット接続環境を実現する事が可能になります。

但し、現在のネットワーク構成によっては、PPPoE方式からIPoE方式への切り替えにより、「インターネットに繋がらない」「電話が使えない」など、別の問題が発生する可能性があります。

その不具合の発生し易いネットワーク構成とは、「ひかり電話を利用したネットワーク環境」です。

本記事では、法人環境でひかり電話を併用したままIPoEへ切り替える方法と、構成例・注意点を分かりやすく解説していきたいと思います。

目次

法人フレッツ光で「インターネットが遅い」と感じる原因

PPPoE方式がボトルネックになる理由

PPPoE方式は、企業ネットワークのゲートウェイルーターから、フレッツ網にある「網終端装置」に接続してインターネット通信を行います。

この「網終端装置」は、NTTが管理するフレッツ網に、プロバイダー毎に準備されています。

その為、網終端装置に接続する企業が増えたり、通信量が増えると、通信遅延が発生する為、定期的な「網終端装置」を増設する必要があるのですが、増設に関しては、NTT主幹となる為、プロバイダーの都合だけでは、容易に「網終端装置」の増設は出来ません。

プロバイダーによって、地域によって、「遅い」などの現象が発生し、なかなか解消しないのは、上記理由からです。

この、「網終端装置」が混雑した状態が発生すると、特に、企業の業務時間帯(9時〜18時)は混雑しやすく、さらに、朝と夕方は混雑が顕著になり、通信速度の低下や遅延が発生しやすくなります。

通信量増加による混雑の影響

コロナ渦以降、クラウドサービスやWeb会議の普及により、インターネットに流れるデータ通信量は、年々増加してますので、PPPoEの混雑問題は年々顕在化しています。

にもかかわらず、企業におけるインターネットの重要性も、年々増加していて、インターネット回線の「通信断」や「遅延」は、企業の信頼を損ない、企業業績に直結する問題となる可能性があります。

IPoEとは?PPPoEとの違いを法人向けに解説

IPoEについては、以前、以下記事で説明しておりますので、是非ご参照いただけると幸いです。

改めまして、PPPoE方式と比較した、IPoE方式について説明したいと思います。

PPPoE方式の特徴と課題

PPPoE方式には、以下のような特徴があります。

前の章でもご説明しましたが、混雑が発生し易く、通信遅延が起こりやすい仕組みです。

  • 認証が必要
  • IPv4通信
  • 混雑しやすい

IPoE方式の仕組みとメリット

代わって、IPoEは、NTTのフレッツ網から、IPoE接続サービスを提供(transixなど)しているネットワークを介して、直接インターネットへ接続します。

プロバイダー設備を経由しないため、混雑の影響を受けにくいのが特徴です。

IPoEの法人利用では以下のメリットがあります。

  • 通信速度・安定性の向上
  • Web会議やクラウドの快適化
  • 業務時間帯でも速度低下しにくい

ひかり電話を利用している法人環境の一般的な構成

フレッツ光回線のオプションサービスで、個人でも企業でも最も多く利用されているサービスが、「ひかり電話」です。ひかり電話は、フレッツ光回線があれば、非常に安価(¥550円~)で、通話料金も節約が出来ます。

ひかり電話については、以下NTT東日本のサイトをご確認ください。

NTT East ひかり電話コラム

HGW(ホームゲートウェイ)・OG(オフィスゲートウェイ)・電話主装置の役割

フレッツ光回線を利用し、ひかり電話を利用している、小規模企業の構成パターンを以下の絵にしてみました。

パターン1.HGW・OG経由でブロードバンドルーター直列接続

フレッツ光回線への接続は、「HGW」か「OG」になります。場合により、OGの上位に終端装置として、ONUが配置されているケースもあります。

この構成の場合、「HGW」or「OG」が、ひかり電話機能を提供し、ブロードバンドルーターは「HWG」or「OG」をスルーして、インターネット接続を行います。企業の場合、電話の収容を主装置が行っているケース(右側図)が、一般的な構成になります。

HGW / OGが電話を収容しているケース
主装置が電話を収容しているケース

パターン2.主装置経由でブロードバンドルーター直列接続

フレッツ光回線の接続が「主装置※」になります。※絵にはありませんが、主装置上位に終端装置としてONUが配置

この場合、主装置には「ひかり電話収容ユニット」が搭載されています。下図では、主装置配下にブロードバンドルーターを設置して、インターネット接続を行ってますが、主装置でPPPoE接続を行いインターネット接続を提供するケースもあります。

主装置経由でブロードバンドルーター直列接続

パターン3.主装置・ブロードバンドルーター並列接続

フレッツ光回線の終端であるONUの配下にスイッチを配置し分岐、ブロードバンドルーターと主装置が並列に接続します。

この場合、主装置には「ひかり電話収容ユニット」が搭載されています。

注意点:ONU配下に設置するスイッチは「技術基準適合認定(技適マーク)」されている必要があります。されていない機器を接続すると、電気通信事業法に違反する事になってしまいますのでご注意ください

利用者が接続する端末設備等の 接続の技術基準について
主装置・ブロードバンドルーター並列接続

それでは、上記、ひかり電話使用環境で、PPPoE方式からIPoE方式に切り替えを行う場合、どのような構成をとれば良いか?について、次で確認していきたいと思います。

フレッツ光をIPoEに切り替える際の基本構成例

フレッツ光回線で、ひかり電話を利用している構成について、3パターン絵にしましたが、IPoE構成可能なのは、HGW・OGとブロードバンドルーターを直列に接続した構成「パターン1」、「パターン2」になります。

パターン1.HGW・OG経由でブロードバンドルーター直列接続

この構成の場合、IPoE接続を行うブロードバンドルーターに、「RA方式」でIPv6アドレスを流してあげる必要がある為、以下記載のように、HGWやOGを設定する必要があります。
※ここから先に書く内容は、全ての機器に当てはまる訳でない事をご了承ください。

HGWであれば「IPv6ブリッジ」、OGであればIPv6アドレス「RA払い出し」設定を行う必要があります。私が調べた限りでは、どちらの設定も初期値になっている可能性が高いと思います。

パターン2.主装置経由でブロードバンドルーター直列接続

この構成の場合も、IPoE接続を行うブロードバンドルーターに、「RA方式」でIPv6アドレスを流してあげる必要がある為、以下記載のように、主装置を設定する必要があります。
※ここから先に書く内容は、全ての機器に当てはまる訳でない事をご了承ください。

主装置で「V6パススルー」もしくは「RA配布」設定を行う必要があります。私が調べた限りでは、どちらの設定も初期値になっている可能性が高いと思います。

最後に、IPoE移行時の注意点を考えてみたいと思います。

IPoE移行時の注意点

① 通信速度について

PPPoE方式で使用している、網終端装置経由の認証を使用したインターネット接続と比較すると、IPoE方式で使用している、認証を使用しない、IP over Ethernetの仕組みを比較すると、間違いなく、IPoE方式の方が、インターネット通信の高速化は望めます。

ただし、環境要因がありますので、「必ず速くなるわけではない」という認識を持った方が良いです。

構成要因による影響

前の章でご紹介した「パターン1構成」も「パターン2構成」も、ブロードバンドルーター上位に、電話終端機器(HGW・OG・主装置)が設置されますので、いくらルーターの性能が良くても、電話終端装置のデータ転送性能に引っ張られてしまう事をご注意ください!

また、LAN内にボトルネックとなる機器等(特に無線LANなど)があると、いくら出口のインターネットを速くしても、体感としては変わらないので、ご注意ください。

② IPv6アドレス通信について

既存機器が、IPv6アドレスに対応している事をご確認ください。

特に、ファイアウォールなどを通信経路で使用している場合、IPv6アドレスを通す設定にする必要があります。IPv6アドレスを通過する設定がされていないと、IPv6サイトにアクセス出来ない不具合が発生する可能性があります。

③ IPv4 over IPv6方式の違い

MAP-E、DS-Liteなど方式によって仕様が異なります。

DS-Lite方式の場合、導入するブロードバンドルーターのWANポートに、IPv4グローバルアドレスは割り当たりません。その為、監視カメラや公開サーバーのような、ポートフォワーディングは動作しません。併せてダイナミックDNSサービスも利用できませんので、ご注意ください。

④ 既存VPN・拠点間接続への影響

IPoE環境ではVPN構成の見直しが必要なケースもあります。
事前検証をおすすめします。

まとめ|ひかり電話併用でもIPoE移行は可能

ひかり電話を利用している法人環境でも、ひかり電話を止めることなくIPoEへ移行することは可能です。

ただし、構成と注意点を正しく理解し、関連機器を導入したベンダーと連携しながら、切替を進める必要がありますので、しっかり準備と事前確認を行えば、安全に高速・安定した通信環境を実現できます。

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