【Windows11】マスターイメージ作成と展開方法 <クローニング編>

前回、「参照用PCの作成とSysprep実施手順」について記載しました。
詳細は、以下リンクから記事をご確認ください。

今回は、「マスターイメージの抽出方法」と、「クローニング方法」について書いていきたいと思います。

目次

マスターイメージの抽出方法

マスターイメージを抽出する対象のPCは、「参照用PC」です。

参照用PCの状態は、以下のようになっている必要があります。

  • Sysprepが実施済み
  • シャットダウンされている

さらに、マスターイメージの抽出をするにあたり、準備する物があります。

準備する物を以下に記載します。

  • 参照用PC
  • イメージ抽出用Windows PEメディア
  • イメージ保存用USB HDD

次に、「マスターイメージ抽出手順」を記載したいと思います。

マスターイメージ抽出手順

1.参照用PCを準備します。

参照用PCは「Sysprepが実施済み」でシャットダウンがされた状態です。

2.マスターイメージの保存先「外付けHDD」を接続、「イメージ抽出用Windows PEメディア」で起動します。

※作成方法はこちらの記事参照 

3.Windows PEが起動します。

4.接続した外付けHDDは「Dドライブ」として認識されました。
 dismコマンドを使用して、マスターイメージを抽出します。

dism /capture-image /imagefile:D:\x280-image\master.wim /CaptureDir:C:\ /Name:"Windows 11"

5.「操作は正常に完了しました」と出れば、イメージの抽出は完了です。

6.最後に、Windows PEをシャットダウンします。

wpeutil shutdown

以上で、マスターイメージの抽出は完了です。

イメージのクローニング方法

次に、マスターイメージをPCへ展開(クローニング)する方法を、簡単ですが記載したいと思います。

実際は、有償のソフトウェアを使用するケースもありますので、展開方法は数多くあると思いますが、今回は、無償で利用可能なソフトウェアを使用すケースに限定

大きく分けると、2種類の方法があります。

<方法1> 1台毎クローニングする方法

PC1台毎、Windows PEがセットされたUSBメモリで起動し、外付けHDDやNASのディスク上に保存された、マスターイメージをクローニングします。

必要な物

  • Windows PEメディア
  • 外付けHDD or NAS

<方法2> 複数台一括でクローニングする方法

展開サーバー(Microsoft Deploymet Toolkit)を構築し、複数台のPCへ一斉にマルチキャストでイメージをクローニングします。

必要な物

  • サーバー機器
  • Windows Server OS

今回は、展開サーバーの準備が出来ていない為、「方法1.1台毎クローニングする方法」を説明したいと思います。
展開サーバーを使用する方法については、次回ご紹介します。

<方法1> 1台毎クローニングする手順

具体的に、1台毎クローニングする手順を紹介したいと思います。

今回イメージの保存先は、外付けHDDとします。

1.展開用PCを準備します ※参照用PCと同型機Thinkpad X280

2.展開用PCを、Windows PEメディアを使用して起動します。

3.Windows PEが起動します。

4.パーティションを再構成します。diskpartコマンドでパーティション構成を初期化します。

diskpart
select disk 0
clean
convert gpt

5.Windows11の推奨パーティション構成に合わせて、パーティションを作成します。

create partition efi size=100
format quick fs=fat32 label="System"
assign letter=”S”
create partition msr size=16 
create partition primary ※サイズをしていしないと残り全てになる
format quick fs=ntfs label="Windows" 
assign letter="C"

<参考>推奨のパーティションサイズについては、以下Microsoftサイトに記載があります。

パーティションのレイアウト

UEFI ベースの PC の既定のパーティション レイアウトは、システム パーティション、MSR、Windows パーティション、回復ツールのパーティションです。

既定のパーティション レイアウトの図: システム、msr、Windows、回復

このレイアウトにより、Windows と Windows 回復環境の両方から Windows BitLocker ドライブ暗号化を使用できます。引用元:Microsoft UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション

6.作成したパーティションを確認します。

list partition

7.マスターイメージの保存してある、外付けHDDを接続します。

8.外付けHDDのドライブレターを確認します。

Fドライブが割り当てされている事が分かりました。

9.マスターイメージをクローニングを開始します。

dism /Apply-Image /ImageFile:F:\x280-image\master.wim /Index:1 /Applydir:C:\

10.クローニングが完了したら、システムパーティションを構成します。

C:\Windows\System32\bcdboot C:\Windows /s S:

11.PCを再起動して、OSが起動する事を確認します。

以上で、展開PCへのクローニングは完了です。

次回、展開サーバー(MDT)を使用した、クローニングをご紹介したいと思います。

準備の関係で、少しお時間があいてしまうかと思いますが、お待ちください!!

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