前回、「参照用PCの作成とSysprep実施手順」について記載しました。
詳細は、以下リンクから記事をご確認ください。
今回は、「マスターイメージの抽出方法」と、「クローニング方法」について書いていきたいと思います。
マスターイメージの抽出方法
マスターイメージを抽出する対象のPCは、「参照用PC」です。
参照用PCの状態は、以下のようになっている必要があります。
- Sysprepが実施済み
- シャットダウンされている
さらに、マスターイメージの抽出をするにあたり、準備する物があります。
準備する物を以下に記載します。
- 参照用PC
- イメージ抽出用Windows PEメディア
- イメージ保存用USB HDD
次に、「マスターイメージ抽出手順」を記載したいと思います。
マスターイメージ抽出手順
1.参照用PCを準備します。
参照用PCは「Sysprepが実施済み」でシャットダウンがされた状態です。
2.マスターイメージの保存先「外付けHDD」を接続、「イメージ抽出用Windows PEメディア」※で起動します。
※作成方法はこちらの記事参照
3.Windows PEが起動します。
4.接続した外付けHDDは「Dドライブ」として認識されました。
dismコマンドを使用して、マスターイメージを抽出します。
dism /capture-image /imagefile:D:\x280-image\master.wim /CaptureDir:C:\ /Name:"Windows 11"
5.「操作は正常に完了しました」と出れば、イメージの抽出は完了です。
6.最後に、Windows PEをシャットダウンします。
wpeutil shutdown
以上で、マスターイメージの抽出は完了です。
イメージのクローニング方法
次に、マスターイメージをPCへ展開(クローニング)する方法を、簡単ですが記載したいと思います。
実際は、有償のソフトウェアを使用するケースもありますので、展開方法は数多くあると思いますが、今回は、無償で利用可能なソフトウェアを使用すケースに限定。
大きく分けると、2種類の方法があります。
<方法1> 1台毎クローニングする方法
PC1台毎、Windows PEがセットされたUSBメモリで起動し、外付けHDDやNASのディスク上に保存された、マスターイメージをクローニングします。
必要な物
- Windows PEメディア
- 外付けHDD or NAS
<方法2> 複数台一括でクローニングする方法
展開サーバー(Microsoft Deploymet Toolkit)を構築し、複数台のPCへ一斉にマルチキャストでイメージをクローニングします。
必要な物
- サーバー機器
- Windows Server OS
今回は、展開サーバーの準備が出来ていない為、「方法1.1台毎クローニングする方法」を説明したいと思います。
展開サーバーを使用する方法については、次回ご紹介します。
<方法1> 1台毎クローニングする手順
具体的に、1台毎クローニングする手順を紹介したいと思います。
今回イメージの保存先は、外付けHDDとします。
1.展開用PC※を準備します ※参照用PCと同型機Thinkpad X280
2.展開用PCを、Windows PEメディアを使用して起動します。
3.Windows PEが起動します。
4.パーティションを再構成します。diskpartコマンドでパーティション構成を初期化します。
diskpart
select disk 0
clean
convert gpt
5.Windows11の推奨パーティション構成に合わせて、パーティションを作成します。
create partition efi size=100
format quick fs=fat32 label="System"
assign letter=”S”
create partition msr size=16
create partition primary ※サイズをしていしないと残り全てになる
format quick fs=ntfs label="Windows"
assign letter="C"
<参考>推奨のパーティションサイズについては、以下Microsoftサイトに記載があります。
パーティションのレイアウト
UEFI ベースの PC の既定のパーティション レイアウトは、システム パーティション、MSR、Windows パーティション、回復ツールのパーティションです。
このレイアウトにより、Windows と Windows 回復環境の両方から Windows BitLocker ドライブ暗号化を使用できます。引用元:Microsoft UEFI/GPT ベースのハード ドライブ パーティション
6.作成したパーティションを確認します。
list partition
7.マスターイメージの保存してある、外付けHDDを接続します。
8.外付けHDDのドライブレターを確認します。
Fドライブが割り当てされている事が分かりました。
9.マスターイメージをクローニングを開始します。
dism /Apply-Image /ImageFile:F:\x280-image\master.wim /Index:1 /Applydir:C:\
10.クローニングが完了したら、システムパーティションを構成します。
C:\Windows\System32\bcdboot C:\Windows /s S:
11.PCを再起動して、OSが起動する事を確認します。
以上で、展開PCへのクローニングは完了です。
次回、展開サーバー(MDT)を使用した、クローニングをご紹介したいと思います。
準備の関係で、少しお時間があいてしまうかと思いますが、お待ちください!!
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