【Windows11】マスターイメージ作成と展開方法 <応答ファイル編>

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前回、「イメージ抽出用Windows PEメディアの作成方法」について記載しました。

詳細は、以下リンクから記事をご確認ください。

今回は、参照用PCに対して、Sysprepを実施する時に使用する「応答ファイル作成」方法について、書きたいと思います。

まずは、そもそも、応答ファイルとは?、Sysprepとは?何なのかを説明していきます。

Sysprepとは

Sysprep (システム準備) は、Windows クライアントまたは Windows Server のインストールをイメージング用に準備します。 Sysprep は、Windows インストールから PC 固有の情報を削除 (一般化) して、それを別の PC にインストールできるようにします。 Sysprep の実行時に、PC を監査モードまたは Out-of-Box Experience (OOBE) のいずれかで起動するように構成できます。

引用元:Microsoft Learn

Windows PCでSysprepを実行すると、Windows内の固有情報を削除してくれて、再起動時にWindowsのセットアップウィザードが実行されます。

また、Sysprepの実行プログラムは、C:¥Windows¥System32¥sysprepにあります。

PCを新品で購入し、電源を初めていれた時に表示される、Windowsのセットアップウィザードが、Sysprep実行後の状態と同じイメージになります。

応答ファイルとは

応答ファイル (または無人セットアップ ファイル) を使って、セットアップ中にイメージの Windows の設定を変更できます。 また、最初のユーザーがアカウントを作成し、既定の言語を選択した後に実行されるスクリプトをイメージ内でトリガーする設定を作成することもできます。

引用元:Microsoft Learn

応答ファイルはXMLファイルで、作成する為には、「Windows ADK」に含まれる「Windowsシステムイメージマネージャー」を使用して作成します。

作成した応答ファイルを、Sysprepのオプションとして、/unattendを使用して指定することで、Windowsを自動設定することが可能になります。

例えば、応答ファイルを使用すると、Windowsセットアップウィザードの以下項目が自動入力されます。

  • アカウント作成
  • 各種同意ページのスキップ
  • アクティベーションコード適用
  • タイムゾーンやロケーション、言語設定 などなど
ささ

その為、マスターPCを作成し、そのマスターPCイメージを多数のPCに展開する場合、マスターPCの固有情報を削除して、さらに、セットアップウィザードを自動入力する為に、「応答ファイル」作成と、「Sysprep」の実行は必須の作業になります。

次から、「応答ファイル作成」方法についてご説明いたします。

目次

応答ファイル作成の準備

応答ファイル作成する為に必要な物として、以下を準備します。

【準備する物】

1. 「Windows ADK」がインストールされた作業用PC

今回は、Hyper-V上の仮想ゲスト(Windows11)を準備しました

「Windows ADK」は、前回の記事で作業用PCにインストール済みです。

2. 「install.wim」ファイル

まず、応答ファイルを作成する為には、対象のWindows11エディションのOSイメージファイルが必要。

Windows11のメディアやisoイメージがあるようでしたら、そこから、イメージファイル(install.wim)を作業用PCの任意のフォルダーにコピーします。

「install.wim」とは、Windows OSのシステムファイルが含まれるイメージファイルの事で、応答ファイルを作成する為に必要です。

以下に、「install.wim」ファイルを準備する手順を記載します。

2-1. 「install.wim」ファイル準備手順

① Windows11 isoイメージダウンロード

私の場合は手元に、メディアやisoイメージが無かったので、以下Micosoftサイトからダウンロードしました。

Micorsoft ソフトウェアダウンロード「Windows11のダウンロード」

② 「install.wim」をコピー

・ ダウンロードしたWindows11 isoイメージを右クリックし、エクスプローラーで開きます。

・「sourcesフォルダ」内の「install.wim」を任意のフォルダーにコピーします。

応答ファイルの作成

応答ファイル作成の為に準備する物が揃いましたら、応答ファイルを作成していきます。

以下に手順を記載します。

1. 応答ファイルの準備

応答ファイルの作成は、作業用の「Windowsシステムイメージマネージャ」で作成します。

①「Windowsシステムイメージマネージャ」を起動して、Windowsイメージの選択から、install.wimを読み込みます。
② 複数のエディションが表示された場合は、展開対象のエディションを選びます。今回は「Windows11 Pro」を選択。
③ すると、「Windowsイメージ」ペインに、たくさんのWindows11コンポーネントが読み込まれます。
④ 次に、応答ファイルセクションで右クリックし、「新しい応答ファイルを作成」します。

2. 応答ファイルの編集

応答ファイルの「① WindowsPE」~「⑦ oobeSystem」各項目へ、Windowsイメージ内のコンポーネントから、最低限の設定項目をコピーします。

続けて、各項目に設定値を入力していきます。
入力値につきましては、以下1~7の項目内容を入力していきました。

ただし、設定値はあくまでも参考値となりますので、設定される際は、個々皆さんの環境に合った設定をするようにしてください

設定値に関して詳しくは、以下Microsoftサイトを参考にしてください
Microsoft 「応答ファイル(unattend.xml)」

① WindowsPE
イメージコンポーネント
amd64_Microsoft-Windows-International-Core-WinPE_natural
設定設定値意味
InputLocal0411:E0010411入力言語(Microsoft IME)
LayeredDriver6キーボードドライバー(日本語)
SystemLocaleja-JP既定の言語(日本語)
UILanguageja-JPUIの言語(日本語)
UILanguageFallBackja-JPUIがローカライズされていない言語(日本語)
UserLcalja-JPユーザーの言語(日本語)
② OffilineServicing

設定なし

③ generalize
イメージコンポーネント
amd64_Microsoft-Windows-PnpSysprep_natural
設定設定値意味
DoNotCleanUpNonPresentDevicesTRUE検出されないデバイスのPnP情報を保持するか(正しい)
PersistAllDeviceInstallsTRUEPnPでデバイスがインストールされたままであるか(正しい)
④ specialize
イメージコンポーネント
amd64_Microsoft-Windows-PnpSysprep_natural
設定設定値意味
ComputerName*コンピューター名(ランダム)
CopyProfileTRUE現在のユーザーのプロファイルをコピーして、デフォルトユーザープロファイルを上書きするか
(する)
ProductKey"ライセンスキーを入力します”ボリュームライセンスキー
TimeZoneTokyo Standard Timeコンピューターのタイムゾーン
(東京)
⑤ auditSystem

設定なし

⑥ auditUser

設定なし

⑦ oobeSystem
イメージコンポーネント
amd64_Microsft-Windows-International-Core_neutral
設定設定値意味
InputLocal0411:E0010411入力言語(Microsoft IME)
SystemLocaleja-JP既定の言語(日本語)
UILanguageja-JPUIの言語(日本語)
UILanguageFallBackja-JPUIがローカライズされていない言語(日本語)
UserLcalja-JPユーザーの言語(日本語)
イメージコンポーネント
amd64_Microsft-Windows-Shell-Setup_neutral
設定設定値意味
TimeZoneTokyo Standard Timeコンピューターのタイムゾーン
(東京)
HideEULAPageTRUEソフトウェアライセンス条項ページ非表示(はい)
HideWirelessSetupInOOBETRUEワイヤレスネットワークへの接続ページ非表示(はい)
ProtectYourPC1コンピューターの保護ページを非表示(簡易設定オン)
LocalAccount-ActionAddListItemローカルアカウント追加(追加)
LocalAccount-GroupAdministrators追加ユーザーのグループ(Administratos)
LocalAccount-Nameuserユーザー名(user)
Password-Value”パスワードを入力”パスワード値
WindowsFeatures-ShowInternetExplorerTRUEIEのエントリポイントを表示するか(はい)
WindowsFeatures-ShowMediaCenterFALSEMediaCenterのエントリポイントを表示するか(いいえ)
WindowsFeatures-ShowWindowsMediaPlayerTRUEWindows MediaCenterのエントリポイントを表示するか(はい)

3. 応答ファイルの保存

① 応答ファイルの編集が終了したら、設定値を入力していない項目は削除して、スッキリさせます。
② 名前を付けて保存します。

以上で応答ファイルの作成は完了です。

作成した応答ファイルは、この後、Sysprepで使用しますので、大切に保管します。

次回は、「参照用PC(マスターPC)作成と、Sysprep実施」を行っていきます!

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